第50期 株主通信サン電子株式会社

JASDAQ 証券コード:6736

特集
Cellebrite社のナスダック上場について

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Cellebrite社のナスダック上場について

世界的なデジタル・インテリジェンス市場のリーディングカンパニーとなることを目指して子会社Cellebrite社を米国ナスダック上場へ

当社は、2021年4月8日に、当社連結子会社のCellebrite社(イスラエル)が、米国ナスダック市場に上場する特別買収目的会社(SPAC)との合併により、ナスダック市場に上場することで合意したことを発表いたしました。本件の実務面でのキーマン2名より、本件の狙いや経緯についてご説明いたします。

 当社グループにおいて売上・利益ともに最大の子会社であるCellebrite社が手がけるデジタルフォレンジック*市場は、各国行政機関の安全保障に対する意識の高まり、デジタル化の進展、犯罪捜査手法の進化等に伴い、需要の形を変えながら世界的に拡大しています。さらに幅広くなりつつある需要に対応するため、優位性を持つ製品・サービス開発への先行投資の原資を確保するための資金調達の手法を従前より模索していました。
 そうした中で、米国株式市場にて、2020年初頭より特別買収目的会社(SPAC)*への投資が活況となり、SPACと未公開事業会社の合併による上場(De-SPAC)を行う企業が一気に増加したことを受け、当社も連結子会社Cellebrite社のDe-SPACを検討しました。
検討の結果、❶SPACを介すことでより多くの資金調達が可能となること、❷市場の活性化を受けて企業価値を約23.93億米ドル(約2,649億円)と高く評価いただけたこと、❸新規上場における公開価格に対するDe-SPACのディスカウント率は、従来手法と比較し、低い水準であること、❹従来手法より短期間で上場を果たすことができることから、De-SPACが適していると判断し、TWC社との合併契約の締結に至りました。上場により、各国の法令に基づく調査を担う政府等公共安全機関や民間企業を含む機関向けにサービスを提供する事業会社としてCellebrite社の責任と信頼性が増し、さらに独自にシナジー効果を狙えるM&Aもしやすくなる等も考慮しました。
 また、本取引の実行後は当社も配当金及び株式譲渡により、商品拡充のための戦略的投資及び新規事業開発に積極活用できる資金を調達することができ、これをしっかりと事業拡大を通じたさらなる企業価値向上の一助にしていきたいと考えています。

*情報漏えいや不正操作、犯罪捜査や法的紛争等において電子機器に残る記録を保全・収集・分析する手段・技術
*SPAC(Special Purpose Acquisition Company)とは買収を目的に設立された会社で、これを上場させ、株式を売り出して資金調達した後、事業会社を買収し、SPAC と合併させ、事業を営む被買収企業が存続会社となり、上場会社となる仕組み