第52期 株主通信サン電子株式会社

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特集
事業クローズアップ

EKTech Holdings Sdn. Bhd.の
子会社化による、今後の事業拡大の展望

経営戦略室 国際事業企画部 部長
兼 EKTech Holdings Sdn. Bhd. 取締役
纐纈 正典

 当社は2022年12月23日開催の取締役会において、EKTech Holdings Sdn. Bhd. の株式を取得し、連結子会社化することについて決議し、2023年2月2日に全株式を取得いたしました。
 当社グループのIoT/M2M事業とのシナジー効果、当社の技術支援及び経営資源を活用して5Gの普及に伴う新たな価値の提供、また今後発展が見込まれるASEAN地域での事業基盤の確保といった当社グループの事業拡大の展望についてご説明いたします。

EKTech Holdings Sdn. Bhd. について

EKTech Holdings Sdn. Bhd. について

今後の事業拡大への展望

サン電子とEKTech社のシナジー

 EKTech社は、これまで「たのしさ」と「便利さ」をカタチにする技術力で社会が求める多様なニーズに応える「Solution Thinker」をモットーとした事業運営を行ってきた会社であり、常にベンチャースピリットを忘れず、課題解決を導く提案をビジネスの根幹とするサン電子と共通する企業カルチャーを有しています。今回のM&Aを通じて、成長著しいマレーシア市場でニーズを満たす商品をともに考え、新たなものを生み出す力を養いながら、サン電子にとっても、EKTech社にとっても、次なるステージに向かう変化・成長の機会と捉えています。
 すでにマレーシアのEKTech社のお客様からは、サン電子製品の品質に対する信頼に加え、日本の上場企業という信頼から、「何か新しいことができるようになるのではないか」という期待を多く寄せられていることを肌で感じています。この期待値へしっかり応えながら当社自らも進化し、ともに新たなビジネスチャンスの創出に挑戦していきたいと考えています。

技術支援・経営資源活用による新たな価値の提供

 まずは、20年にわたりEKTech社が展開してきたネットワーク関連事業を後押しし、それら事業を拡大させることから始めていきます。日本で求められる製品とマレーシアで求められる製品の違いは大きく、日本市場向けに特化した作り込みをしている製品をそのままマレーシアで横展開することは困難です。そのため、これまでサン電子が蓄積してきたノウハウやアイデア等を活かした新たな提案に大きな期待を寄せられています。単なる物売り提案ではなく、当社の製品を活用した統合的なソリューションとして展開するビジネススタイルを確立しながら、当社の強みを事業展開につなげていきます。
 また、EKTech社が展開するネットワーク管理やATM通信回線監視事業等のメンテナンス業務において、M2M事業のAR商品利用が検討されています。メンテナンス技術者の入れ替わりが激しい状況下で、ARの主な目的である熟練工の代わりとなるリモートサポート機能は、足下での課題解決につながる商材として期待値が高く、導入に向け、すでに取扱説明及び実証実験をスタートさせています。これは自社の課題解決だけでなく、まずはEKTech社自身が活用することでより理解を深めようとする取り組みです。

今後発展が見込まれるASEAN地域での事業基盤の確保へ

 日本国内でネットワークやデータ管理需要の高い、スーパー及び病院・メディカル系、工場関連といった異業界への提案を視野に入れた、新規プロジェクトを進めています。フォロー業界を増やしながら、顧客の裾野を広げ、ASEAN地域での展開を一歩ずつ確実に広げていきます。
 また、サン電子のM2M事業が得意としている領域に自動販売機がありますが、マレーシアでは自動販売機の設置はほとんどありません。他にも、当社M2M事業のネットワーク関連機器を多用しているプリクラやカラオケといった領域についてもマレーシアでの事業化は難しいでしょう。そういう意味では、日本にはないが、逆にネットワークを必要としているマレーシアならでは、ASEANならではの業界があるかもしれない、そうした視点からの新規開拓も狙っていきたいと考えています。