当社グループを取り巻く環境変化では、当面具体的には株主総会プロセスの電子化、市場再編、CGコードの改訂、ESG開示要求機運の高まりなどがあげられます。こうした変化を機会と捉えて一層のソリューションをお客様に提供できるよう各事業を進化させてまいります。
まず、高度化・多様化する開示業務によるお客様のご負担軽減にお応えするために、主力製品である開示書類作成支援ツールである「X-Smart.」シリーズを、2021年5月にリリースしたとおり「WizLabo(ウィズラボ)」へとリニューアルいたしました。詳しくは特集でご紹介しております。
既にお客様にはご案内を開始しておりますが、大幅な機能向上に対しありがたいことに高いご評価を頂戴しております。お客様の利便性向上に貢献できるように本製品の拡充を推進してまいります。
株主総会プロセスの電子化では、時期は未定ですがこの1~2年の間で招集通知の電子提供が始まることが決まっております。これは印刷需要の減少等、リスクも潜在しますが、これを見据えて開発した「ネットで招集」の採用企業は毎年増加しており、販売拡大を通じて一層の成長機会と捉え推進しております。同様にバーチャル総会への関心が高まっておりますが、足元も株主総会、決算説明会の動画配信サービスが堅調です。一層のサービス向上を図り、こちらについても拡充を進めてまいります。
WEB版株主通信であるこの「ネットで株通」など、こうした環境変化を活かし、よりお客様にご満足いただけるサービスの開発・提供を進められればと考えております。
一方で、特に今年から来年にかけて影響が大きいところでは、2022年4月から適用される東京証券取引所の市場再編に先立ち、コーポレートガバナンス・コードが改訂され一段高いレベルでの説明責任が求められることになったことが挙げられます。
この影響によりディスクロージャー関連書類の翻訳や統合報告書作成に代表されるESG情報開示サポートに対するニーズが急拡大しております。また、改訂を受けて記載を拡充する必要があるコーポレートガバナンス報告書関連の支援に関するコンサルティングニーズも増加しており、こうしたプラスの環境変化を確実に捉えられるようサービスの拡充を進めてまいります。
コロナ禍において、当社グループ事業の中で一番影響を受けているのは通訳事業です。しかし通訳事業受注案件の半数以上は継続案件であり、その多くがオンライン会議に形を変えて復調しております。オンライン会議の急増に伴って大幅に採用が増加した遠隔同時通訳システム“interprefy”ですが、今後新型コロナウイルス感染拡大の脅威が低下した後も、オンラインに移行したすべてのイベント・面談がリアルの場に戻るとは考えにくく、また、大規模イベントでの活用も見込めるため、さらなる普及に取り組んでまいります。
また、利益率向上も通訳・翻訳事業の課題の一つです。営業機能の強化、業務システムのプロセス自動化を図るなど、利益率の改善を図ってまいります。
日本、世界経済のコロナ禍からの回復により、通訳・翻訳事業環境は正常化すると見込まれております。通訳・翻訳事業がコロナ禍前の収益体制に戻るには若干の時間を要すると考えておりますが、2022年5月期は相当に改善されると見込んでおります。
今後ますます多様化していく顧客ニーズに、グループ内連携をより一層強化し、付加価値の高いソリューションを提供してまいります。