特集決算プロセス自動化ツールWizLaboリリース
開発部署担当執行役員対談

WizLaboはディスクロージャーのパイオニアである宝印刷が提供する開示決算自動化システムです。データの一元管理により大幅な開示業務の効率化をご支援いたします。
今回は開発担当の主幹部署であるICTソリューション部、ICT営業部の執行役員が開発の背景から今後の展望までを、対談形式でご説明いたします。

(右)執行役員牟田 知郭ICTソリューション部長
(左)執行役員池主 丞ICT営業部長
出席者
(右)執行役員 ICTソリューション部長 牟田 知郭
(左)執行役員 ICT営業部長 池主 丞

そもそも「WizLabo」はどのようなシステムなのでしょうか?

一般的に決算業務は「個別決算」「連結決算」「開示決算」と業務プロセスが分類されています。この「個別決算」「連結決算」に当たる上流工程での数字は多くの場合「会計システム」を利用し、算出されます。その数字を使い、会社の「業績・戦略」を表現し、法律で求められる形式に落とし込んで適時適切に公開する業務が「開示業務」に当たります。WizLaboはこの開示業務の中でも開示書類の作成を担い、業務効率や正確性を向上させるシステムです。

開示決算は厳格化や早期開示化が求められる一方、記載内容の充実が求められるようになってきており、正確さや効率性を求められるシステムにとっては、導入の後押しともなるトレンドが続いているとも言えます。

なぜこのタイミングでWizLaboリリースを決めたのでしょうか?

牟田 知郭

近年、ICT技術の進化や新型コロナウイルス感染拡大の影響で環境変化が大きくなってきました。また、IFRSやESG情報開示などの新しい開示の対応にも迫られ、正確さを担保しつつ柔軟な対応をする必要が増しています。
こういった新しい環境変化へ対応できる機能開発を進めるには、現在提供しているX-Smart.のリニューアルではなく、システムを抜本的に見直す必要があると考えました。

一昔前は、長年にわたり開示や株式の業務を担当している「開示書類職人」のような習熟された方が担当されるケースが多かったのですが、現在は内部統制を踏まえ、業務の属人化を防ぐためのジョブローテーションが頻繁になっています。その結果、「開示業務未経験」の若手の方が担当されるケースが増えてきているのは一つの傾向だと思います。
したがって、WizLaboの開発にあたっては、経験者にしか理解できないような複雑性は排除し、「誰にでも操作ができるシンプルさ」を第一のコンセプトにしています。
画面を見たときの第一印象や導線の分かり易さを大切にし、経験が少ない人でも直感的に操作できる「マニュアルレス」を目指しました。

文書編集
数値編集

将来的にどのようなシステムを目指していますか。

池主 丞

「グループ統合型のビジネスレポートプラットフォーム」としての位置づけが今後の目指す方向性です。今回のWizLaboのリリースでシステム基盤も刷新され、その下準備は整ったと思っています。
開示書類作成の周辺には、いまだ監査対応業務やグループ子会社の対応業務など、様々なアナログ領域が残されています。これらを自動化することで、より多くの利用者が高頻度に利活用できる仕組みに進化できると考えています。そのために、まず、外部データ連携用のAPIを強化し、データ収集や連携作業の自動化率を高めていきます。
APIの開発には近年力を入れており、2018年にX-transferという機能のご提供を開始しています。「個別・連結決算から開示決算まで」を一つの業務プロセスのごとく、ワンストップで処理したいというお客様が多く、これを実現するために会計システムとの自動連携用APIとしてご提供しており、既に約200社のお客様にご利用いただいています。

もう一つ、フォーマットの統一による効率化があります。
開示書類は企業のすべての情報の集合体であり、この情報を上流からいかにうまく引き出せるかがポイントになります。ですが企業の多くは部署ごと、子会社ごとに情報管理をしており、フォーマットもばらばらになっていることがよくあります。
開示業務には監査工程など、社内外含めて関わる人が多いので、フォーマットを統一していないとチェックする際にとても非効率です。WizLaboでは、フォーマットが統一可能になり、データ連携もできますから、開示決算にかかわるすべての人が効率的に作業できるようになります。

今後の目標をお聞かせ下さい。

宝印刷が提供するICTサービスの理念は、「開示決算の無駄な手作業を限りなくゼロに近づけ、お客様の企業価値向上に資する開示の支援をすること」と位置付けています。
このコンセプトを具現化することで、グループ全体の決算業務に関わる全てのご担当者様のお役に立てるツールに育てていきたいと考えています。

その通りですね。それに加えて私には「WizLaboを業界標準にしたい」という目標があります。
スタンダードをキープし、さまざまな観点から使いやすさに磨きをかけていきたいです。

補足解説

(参考)金融商品取引法の改正の流れ

2001年
有価証券報告書等の電子開示制度がスタート。そのため、提出形式であるHTML上で開示書類を作成するシステムの開発・導入が加速
2008年
XBRLが財務諸表部分に導入
2009年
会計期間が半期(6か月)から四半期(3か月)に変更
2013年
XBRLが有価証券報告書全文に適用
XBRL(eXtensible Business Reporting Language)
企業の財務情報の記述に特化したXMLベースのマークアップ言語。
財務情報や開示情報をコンピュータが理解できるよう財務・経営・投資などの情報が組み込まれている。
API(Application Programming Interface)→ 詳しくはトピックス
ソフトウェアの一部機能を共有する仕組みを指し、「API連携」とはAPIを通じて他のサービスの機能を連携すること