社長に聞くTAKARA & CO.グループの成長戦略

株主・投資家の皆様には日頃より当社グループへのご支援を賜りまして、心より御礼申しあげます。
この「ネットで株通」では当社グループへのご理解を一層深めていただくため、詳細な情報をお伝えいたしますので、ご一読いただけますと幸いです。

株式会社TAKARA & COMPANY
代表取締役社長  堆 誠一郎

2024年5月期の決算について

当期は、経済活動の正常化に伴うインバウンド需要の大幅な回復や堅調な企業業績などを背景に、年度を通じて景気は緩やかな回復が続きました。

こうした状況のもと、ディスクロージャー関連事業は、多様化・高度化する情報開示に対するシステムの技術革新などを含めた対応要請にお応えすべく、決算開示実務の一層の利便性向上を推進する統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」の導入社数の増加に、引き続き注力してまいりました。また改訂コーポレートガバナンス・コード適用や資本コストを意識した経営の実現に向けて積極性を増すステークホルダーとの対話や海外投資家に向けた英語での会社情報の開示に際して必要となるIR支援・翻訳サービス、環境関連のコンサルティングなど、各サービスにおける提案力・制作体制・品質の強化を進めてまいりました。

通訳・翻訳事業は、特に通訳事業における主たる事業領域である、大規模な国際会議やイベントの開催が対面やオンラインにより増えており、コロナ禍で需要が増えたオンラインでの社内会議が安定的に推移したことなどにより受注件数が増加しました。その結果、下記のとおり計画を上回る増収増益を達成しました。

ディスクロージャー関連事業

売上高21,071百万円(前連結会計年度比1,322百万円増、同6.7%増)
セグメント利益3,368百万円(同720百万円増、同27.2%増)

統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」の導入顧客の増加や金融商品取引法関連文書の翻訳の売上増、統合報告書の受注が好調に推移しました。また、企業の開示プロセス支援に係るシステム開発の受注などにより、売上高は増収となりました。

通訳・翻訳事業

売上高8,206百万円(同387百万円増、同5.0%増)
セグメント利益528百万円(同15百万円減、同2.9%減)

通訳事業においては、コロナ禍で需要が増えたオンラインでの社内会議が安定的に推移したことから受注件数が増加し、翻訳事業においては、企業活動の活発化から経営関連の翻訳需要が安定し、また大型入札案件なども受注し国内外で売上が拡大したことなどから、売上高は増収となりました。
一方、体制強化による販管費の上昇や、マーケットにおいて翻訳単価が下がっていることもあり、セグメント利益は減収となりました。

プライム上場会社における日英同時開示の義務化について

プライム上場会社においては、来年、2025年4月1日以降に開示する、特に投資判断に影響を与える可能性の高い決算情報および適時開示情報については、日本語と英語による同時開示が義務化されることとなりました。

当社グループでは、このようなディスクロージャーにおける制度変更はビジネス創出の機会とも捉えており、本年4月よりはじまった四半期開示制度の見直しなどもそうですが、変化に伴うお客様のニーズを的確かつ迅速に予測し、これら変化に対応するサービスの開発と充実化、それらを支える体制の強化に、サイマル・インターナショナルや十印も含めグループ各社が連携し、注力してまいりたいと考えております。

「中期経営計画2026」の
進捗状況

当期は2024年5月期から2026年5月期を対象とする3か年計画であります「中期経営計画2026」の計画1年目でしたが、その進捗状況につきましては、
売上高は、計画値288億円に対して1.3%上回る、292億円、
営業利益は、計画値39億円に対して7.6%上回る、42億円、
親会社株主に帰属する当期純利益は、計画値26億円に対して15.3%上回る、30億円、
ROEは、計画値10.1%に対して11.5%
となり、いずれも計画を上回ることができました。

※ セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と、当期は334百万円調整を⾏っております。

中期経営計画最終年度に330億円の売上目標を達成するためには、事業領域の拡大と、グループシナジーの進展が大きなカギになると認識しており、スピード感を持ってしっかりと取り組み、計画の達成を目指してまいりたいと思っております。

具体的には、グループ基本方針として掲げる下記5つのもと、

  • サステナビリティ経営の推進
  • グローバル化の拡大促進
  • 新事業領域の拡大
  • グループ戦略立案とグループ連携の強化
  • グループ各社の企業価値向上

引き続き、ディスクロージャー関連事業は、制度変更に伴うビジネスを創出していくとともに、需要が高まっている統合報告書などのサステナビリティ関連商材やコンサルティング分野を拡大していきます。

通訳・翻訳事業は、通訳翻訳のさらなる使い易さと品質を追求していくとともに、この業界の認知度向上と翻訳者の育成、また機械翻訳・遠隔通訳などの技術進化への対応を図ります。

当社グループが特定したマテリアリティに沿った活動を実態を正しく認識しつつ着実に推進し、グループにおける人材の育成、M&Aによる事業領域の拡大に努め、価値共創基盤の強化に努めてまいります。

株主還元

株主還元については、安定配当を基本方針としており配当性向40~50%を目安としています。
2025年5月期の配当金は、現時点での連結業績予想を踏まえまして、10円増配の1株当たり年間90円、配当性向は40.3%を予想しております。

当社グループは「中期経営計画2026」を着実に実行しさらなる飛躍を実現してまいります。
株主の皆様におかれましては、当社グループの戦略をご理解いただき、変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。