当期は、経済活動の正常化に伴うインバウンド需要の大幅な回復や堅調な企業業績等を背景に、年度を通じて景気は緩やかな回復が続きました。
こうした状況のもと、ディスクロージャー関連事業は、多様化・高度化する情報開示に対するシステムの技術革新等を含めた対応要請にお応えすべく、決算開示実務の一層の利便性向上を推進する統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」の導入社数の増加に、引き続き注力してまいりました。また改訂コーポレートガバナンス・コード適用や資本コストを意識した経営の実現に向けて積極性を増すステークホルダーとの対話や海外投資家に向けた英語での会社情報の開示に際して必要となるIR支援・翻訳サービス、環境関連のコンサルティング等、各サービスにおける提案力・制作体制・品質の強化を進めてまいりました。
通訳・翻訳事業は、特に通訳事業における主たる事業領域である、大規模な国際会議やイベントの開催が対面やオンラインにより増えており、コロナ禍で需要が増えたオンラインでの社内会議が安定的に推移したこと等により受注件数が増加しました。その結果、下記のとおり計画を上回る増収増益を達成しました。
ディスクロージャー関連事業
売上高21,761百万円(前連結会計年度比689百万円増、同3.3%増)
セグメント利益3,361百万円(同7百万円減、同0.2%減)
統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」の導入顧客の増加や金融商品取引法関連文書の翻訳の売上増、統合報告書の受注が好調に推移し、売上高は増収となりました。
通訳・翻訳事業
売上高7,917百万円(同289百万円減、同3.5%減)
セグメント利益388百万円(同139百万円減、同26.5%減)
通訳事業においては、2023年5月前後からコロナ禍で中止、延期となっていたイベントや国際会議などが実施され需要が一気に増えましたが、2023年後半から通常に戻りつつあります。コロナ禍で増えたオンラインでの社内会議は引き続き需要があり、オンサイトでの会議、オンラインとの組み合わせによるハイブリッド型会議など様々な形式での案件があり、取引社数および受注数は対前連結会計年度比で増加したことでほぼ2023年5月期並みで推移しました。
翻訳事業においては海外顧客からの発注は堅調ではあるもののプロジェクトの延期、また、国内においてはAI翻訳の影響もあり、売上高は前連結会計年度を下回りました。