社長に聞くTAKARA & CO.グループの成長戦略

株主・投資家の皆様には日頃より当社グループへのご支援を賜りまして、心より御礼申しあげます。
この「ネットで株通」では当社グループへのご理解を一層深めていただくため、詳細な情報をお伝えいたしますので、ご一読いただけますと幸いです。

株式会社TAKARA & COMPANY
代表取締役社長  堆 誠一郎

2025年5月期の決算について

当期は、経済活動の正常化に伴うインバウンド需要の大幅な回復や堅調な企業業績等を背景に、年度を通じて景気は緩やかな回復が続きました。

こうした状況のもと、ディスクロージャー関連事業は、多様化・高度化する情報開示に対するシステムの技術革新等を含めた対応要請にお応えすべく、決算開示実務の一層の利便性向上を推進する統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」の導入社数の増加に、引き続き注力してまいりました。また改訂コーポレートガバナンス・コード適用や資本コストを意識した経営の実現に向けて積極性を増すステークホルダーとの対話や海外投資家に向けた英語での会社情報の開示に際して必要となるIR支援・翻訳サービス、環境関連のコンサルティング等、各サービスにおける提案力・制作体制・品質の強化を進めてまいりました。

通訳・翻訳事業は、特に通訳事業における主たる事業領域である、大規模な国際会議やイベントの開催が対面やオンラインにより増えており、コロナ禍で需要が増えたオンラインでの社内会議が安定的に推移したこと等により受注件数が増加しました。その結果、下記のとおり計画を上回る増収増益を達成しました。

ディスクロージャー関連事業

売上高21,761百万円(前連結会計年度比689百万円増、同3.3%増)
セグメント利益3,361百万円(同7百万円減、同0.2%減)

統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」の導入顧客の増加や金融商品取引法関連文書の翻訳の売上増、統合報告書の受注が好調に推移し、売上高は増収となりました。

通訳・翻訳事業

売上高7,917百万円(同289百万円減、同3.5%減)
セグメント利益388百万円(同139百万円減、同26.5%減)

通訳事業においては、2023年5月前後からコロナ禍で中止、延期となっていたイベントや国際会議などが実施され需要が一気に増えましたが、2023年後半から通常に戻りつつあります。コロナ禍で増えたオンラインでの社内会議は引き続き需要があり、オンサイトでの会議、オンラインとの組み合わせによるハイブリッド型会議など様々な形式での案件があり、取引社数および受注数は対前連結会計年度比で増加したことでほぼ2023年5月期並みで推移しました。
翻訳事業においては海外顧客からの発注は堅調ではあるもののプロジェクトの延期、また、国内においてはAI翻訳の影響もあり、売上高は前連結会計年度を下回りました。

プライム上場会社における日英同時開示の義務化について

プライム上場会社においては、2025年4月1日以降に開示する、特に投資判断に影響を与える可能性の高い決算情報および適時開示情報については、日本語と英語による同時開示が義務化され、当社ビジネスにおいては、適時開示情報および決算説明会資料の翻訳ニーズが急増しました。

当社グループでは、このようなディスクロージャーにおける制度変更はビジネス創出の機会とも捉えており、変化に伴うお客様のニーズを的確かつ迅速に予測し、これら変化に対応するサービスの開発と充実化、それらを支える体制の強化に、サイマル・インターナショナルや十印も含めグループ各社が連携し、注力してまいりたいと考えております。

「中期経営計画2026」の
状況

当期は2024年5月期から2026年5月期を対象とする3か年計画であります「中期経営計画2026」の計画2年目でしたが、その状況につきましては、売上高は、296億円、営業利益は、40億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、40億円、ROEは、14.1%となりました。

中期経営計画最終年度に330億円の売上目標を達成するためには、事業領域の拡大と、グループシナジーの進展が大きなカギになると認識しており、スピード感を持ってしっかりと取り組み、計画の達成を目指してまいりたいと思っております。

具体的には、グループ基本方針として掲げる下記5つになります。

  • サステナビリティ経営の推進
  • グローバル化の拡大促進
  • 新事業領域の拡大
  • グループ戦略立案とグループ連携の強化
  • グループ各社の企業価値向上

引き続き、ディスクロージャー関連事業は、制度変更に伴うビジネスを創出していくとともに、主力製品であります統合型ビジネスレポ―トシステム「WizLabo(ウィズラボ)」のさらなる機能開発、統合報告書の制作およびコンサルティング体制の強化を進め、業績拡大に努めてまいります。

通訳・翻訳事業は、AI翻訳プラットフォーム「SIMULwiz」や「AI通訳」の拡販につとめ変化する顧客ニーズに対応してまいります。

当社グループが策定したマテリアリティに沿った活動を実態を正しく認識しつつ着実に推進し、グループにおける人材の育成、M&Aによる事業領域の拡大につとめ、価値共創基盤の強化につとめてまいります。

株主還元

株主還元については、安定配当を基本方針としており、配当性向は従来40~50%であったものを、このたび50%程度に見直しております。
2026年5月期の配当金は、1株当たり年間120円、配当性向は50.2%を予想しております。

当社グループは「中期経営計画2026」を着実に実行しさらなる飛躍を実現してまいります。
株主の皆様におかれましては、当社グループの戦略をご理解いただき、変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。