社長に聞くTAKARA&CO.グループの成長戦略

株主・投資家の皆様には日頃より当社グループへのご支援を賜りまして、心より御礼申しあげます。
また、この度の令和6年能登半島地震により被災された皆様に謹んでお見舞い申しあげますとともに、
一日も早い復興を心よりお祈り申しあげます。
この「ネットで株通」では当社グループへのご理解を一層深めていただくため、詳細な情報をお伝えいたします。

株式会社TAKARA & COMPANY
代表取締役社長  堆 誠一郎

2024年5月期 第2四半期の決算について

当四半期は、経済活動の正常化に伴う個人消費やインバウンド需要の回復などから、わが国経済は緩やかな回復が続きました。

こうした状況のもと、ディスクロージャー関連事業は、企業価値の拡大を目指すお客様のニーズは多様化しており、当社グループはそれにお応えするべく、お客様の決算開示実務の一層の利便性向上を推進する統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」をリリースし、導入社数の増加に注力してまいりました。また、コーポレートガバナンス・コード適用や東京証券取引所における2022年4月からの新市場区分への移行に伴い、積極性を増すステークホルダーとの対話や非財務情報開示の充実化への需要に対する製品やサービスの提供、「ネットで招集」や株主総会の動画配信(ライブ・オンデマンド)をはじめとする株主総会プロセスの電子化への対応にも取り組んでまいりました。

通訳・翻訳事業は、特に通訳事業における主たる事業領域である、大規模な国際会議やイベントの開催が対面やオンラインにより増えており、これに伴う通訳機会も大幅に回復してきております。その結果、当第2四半期は下記のとおり計画を上回る増収増益を達成しました。

ディスクロージャー関連事業

売上高10,897百万円(前年同四半期比477百万円増、同4.6%増)
セグメント利益2,022百万円(同365百万円増、同22.1%増)

統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」の導入顧客の増加や発行企業数が増加している統合報告書の受注が好調に推移し、増収増益となりました。

通訳・翻訳事業

売上高4,105百万円(同227百万円増、同5.9%増)
セグメント利益315百万円(同61百万円増、同24.3%増)

通訳事業においては、G7サミットやビジネスサミットをはじめ、コロナ禍からの経済活動の正常化への戻りとともに、日本での国際会議やイベントも多く開催されました。また、海外出張や対面での会議も戻り、対面とオンラインの組み合わせによるハイブリッド型会議など様々な形式で売上が増加しました。翻訳事業においては、環境や諸規制の変化により経営に関連する文書や諸規定の翻訳需要が安定的に推移したことで、大口クライアントや大型案件が戻ってきてはいるものの、前年同四半期に比べ若干下回る結果となりました。
利益面では、売上増加に加え生産性向上などにより、増益となりました。

四半期制度の一本化について

四半期報告書は証券取引所の規則に基づく決算短信と内容に重複が多く見られることから見直しが進められていましたが、秋の臨時国会にて改正金融商品取引法が成立し、2024年4月から四半期報告書は廃止、決算短信へ一本化することとなりました。
この四半期報告書の廃止に伴い、引き続き開示が求められる決算短信においても第1四半期と第3四半期では新たにセグメント別の収益やキャッシュ・フローに関する情報の開示を義務付けるなどの見直しがされることとなりました。

当社グループでは、このような四半期開示制度の見直しや会社法改正などの制度変更はビジネス創出の機会とも捉えており、「新・中期経営計画2026」に基づく今後3年間の成長戦略においては、開示支援システムの技術革新やオンライン・Webサービスの強化に注力しています。具体的には、新たな四半期開示制度や株主総会招集通知の電子提供やバーチャル株主総会の進展などにも対応できる、顧客ニーズに即したサービスの開発・提供に注力し、これからの成長ドライバーにしていく考えでおります。

成長戦略

ディスクロージャー関連事業においては、売上高は2020年5月期の174億円からこの3年間で197億円に成長しました。3年間で22億円の伸びとなります。「新・中期経営計画2026」に基づく今後3年間の成長戦略では、先にも述べましたが、四半期開示制度の見直しや会社法改正などの制度変更をビジネス創出の機会と捉え、開示支援システムの技術革新や新たなオンライン・Webサービスの開発・提供に注力し、これからの成長ドライバーにしていく考えです。
これらの取組みと並行して、サステナビリティ情報開示の専門性を高め、統合報告書の制作支援体制を拡充し、さらに海外投資家向け情報開示の品質向上やIPOサービス、コンサルティングの拡大などにより、価値提供の幅を拡げることで、中長期的な成長を実現していきます。

通訳・翻訳事業においては、売上高は、2020年5月期の16億円から、翌期のサイマルグループ連結化を経て、2023年5月期に78億円へ拡大しました。連結後も2ケタの増収を継続し、グループ全体の売上成長を牽引しています。通訳・翻訳のさらなる使いやすさとクリエイティブな品質を追求し、同時に機械翻訳や遠隔通訳などの技術進化に対応します。そして中長期の成長を見据え、次世代を担う通訳者・翻訳者の育成に力を入れていく考えです。
通訳分野は、社内会議通訳や大型スポット案件の復調を確実に捉え、業績の拡大につなげていきます。翻訳分野は、国内上場企業のディスクロージャー・IR案件、海外企業などへのローカライズやトランスクリエーション(マーケティング/クリエイティブ色の強い翻訳)サービスの増加を見込んでいます。また営業機能の強化と業務プロセスの自動化を図り、取り扱い言語の対応数を拡大することで、多様化する顧客ニーズを取り込みます。

株主還元

株主還元については、安定配当を基本方針としており配当性向40~50%を目安としています。
2024年5月期の配当金は、現時点での連結業績予想、十分な配当原資、安定配当の方針を勘案し、1株当たりの中間配当は40円、期末配当は40円(予想)の年間80円を予定しています。
なお、2003年度より続けてまいりました株主優待制度は、2023年5月31日を基準日とした株主様への贈呈を8月から11月にかけて行い、これを最終として廃止いたしました。配当金によって全ての株主の皆様への直接的な利益還元を充実させてまいりたいと存じます。