キーワードで紐解くTAKARA & CO.のサステナビリティ

人的資本とは・・・
財務諸表には記載されない非財務(未財務)資本の一つ。
国際統合報告評議会(IIRC)が公表している国際統合フレームワークでは、資本は財務資本、人的資本、知的資本、社会・関係資本、製造資本、自然資本という6つに分類されており、財務資本を除いた5つの資本が非財務(未財務)資本と呼ばれます。

人的資本は従業員が持つ「スキル」「知識」「ノウハウ」「資源」などを資本の一つとして捉える考え方です。
TAKARA & CO.はこの人的資本を維持し、継続的に育成していくことが当社グループの持続的な成長の根幹であると考えています。今回は当社グループの持つ人的資本の強みと、その価値をさらに向上させるための取組みを紹介します。

TAKARA & CO.の人的資本

企業の情報開示に関する専門知識の提供を事業の根幹としている当社グループの人的資本は、情報開示における専門的な知見やグローバリゼーションの進展に対応し顧客の課題解決に貢献するため、特に下記のような特長を有しています。

  • 制度開示や提出書類作成、IRに関する実務に精通した人材
  • コンピュータ言語であるXBRLやITシステムに関わる経験豊富な人材
  • 外国語スキルや異文化コミュニケーションスキルを持った人材

※1 連結会社での数値です。
※2 ㈱TAKARA & COMPANYと宝印刷㈱を合わせた数値です。
※3 有資格者はIPO実務検定および財務報告実務検定の保有者数です。

そして当社グループはさらなる企業価値向上のため、以下のような2つのアクションプランを設定し、これら人的資本の強化を図っています。

TAKARA & CO.の人材育成

法改正やお客様ニーズの変化に迅速に対応できる組織を構築するとともに、グループ内人材交流や研修制度を充実させ個人のスキルアップを後押し。
お客様により高い付加価値を提供できる体制を構築します。

多様な人材を活かす職場環境づくり

働き方改革を人材戦略として認識し、ダイバーシティ&インクルージョンを積極化。多様な価値観を活かせる企業風土を構築していきます。

TAKARA & CO.の人材育成

人材育成方針の策定

当社グループが価値を創出していくための重要基盤は「人材」です。この「人材」には、当社グループの役職員だけではなく、事業に係わる協力パートナーを含むすべての人材が含まれています。2030年に向けたあるべき姿の実現に向け、人的資本の持続的な成長と信頼関係の発展を図ることを目的として、目指す人材像を明文化するとともに人材育成方針を策定しています。

【目指す人材像】

時代とともに多様化するクライアントのニーズにお応えするため、変化を恐れず常に最善のサービスを提供することに挑戦し続ける人材

目指す人材像が持つ要素 育成方針
最善のサービスへの探求心と実現に向けた向上心 一人ひとりの価値観とキャリアに真摯に向き合い、様々な価値観を組織として受け入れ、皆が同じ目標に向かい一体となる体制を構築する。
クライアントニーズへの対応力 一人ひとりのキャリアビジョンを踏まえ、役職員、協力パートナーの専門能力の成長に繋がるチーム組成を推進し、クライアントニーズへの対応力の向上を図る。
チームスピリット 特定の能力、特定のキャリアパスに捉われることなく、ジェンダー、世代、国籍、理念などの違いを超え、ダイバーシティの尊重を浸透させる。
高い成長意欲 サステナブルなビジョンを共有し、人材育成の支援体制を構築する。

新卒入社社員研修の充実化

当社グループの中核企業である宝印刷㈱では、新卒入社社員に向けた浮間工場での研修を実施しています。 例年4月下旬から6月は、3月末決算の会社の各種開示書類の印刷対応など繁忙期にあたる時期です。このタイミングで実際に印刷工程を経験することにより、業務への理解を深めてもらうことができました。

さらに、今年度からはより深く業務の全体像を理解してもらうため、各部署の担当者が自部署の業務内容などを説明する勉強会も開催しました。
当社グループには営業部門や制作部門だけでなく、シンクタンク的機能を果たす研究部門など様々な部署が存在し、その役割も多岐にわたります。自分の配属部署だけでなく、他部署の業務内容も把握することで、宝印刷の社員としての自覚がより一層増すものと考えています。

ディスクロージャー分野における専門知識の蓄積

宝印刷では、業務上必要となるディスクロージャー分野における知識習得のために多角的な研修や勉強会を各部門において頻繁に実施していますが、業務状況により勉強会に参加できないなど、機会の平等が課題の一つとなっていました。そこで、顧客向けセミナーや社内勉強会などの動画を取りまとめたポータルサイト「セミナー、勉強会まとめサイト」を設置、個人の予定に合わせていつでも自己研鑽できる仕組みを整えました。
また、DXなどの社会の潮流に対応できる人材を育成するため、TAKARA & CO.グループ社員のICTリテラシー強化などを目的としたナレッジサイトも公開され、イノベーションの創出や生産性の向上を目的とした情報共有も実施されています。実務における知識の深耕はもちろんのこと、お客様の課題解決に貢献できるソリューションの創出に向けて、さらなる専門知識の習得に注力していきます。

多様な人材を活かす職場環境づくり

社内環境整備方針

当社グループが持続的な成長を遂げるためには、従業員一人ひとりの力が十分に個々の能力を発揮できる職場でなければなりません。そして、TAKARA & CO.グループとしての一体感を持ち、各社の特徴を活かしたサービスを展開していくことが、時代の変化に速やかに対応しサステナブルな企業環境を創出することになると考えています。そのためには、個々の社員がキャリアビジョンを描き、可能性を追求し、成長を実感できる、そうした働きやすい社内環境を整備しなければなりません。当社グループは、グループ各社の枠を超えた横断的な交流を加速させ、課題を共有し解決策を図る場を今以上に整え、従来の方法にとらわれることのない学びの場や、働きやすい環境を創出していきたいと考えています。
グループ各社に適合した社内環境の整備が当社グループの推進力となり、ひいては従業員の幸せに結びつくよう、今後も継続して効果的な施策を検討し、社内環境の整備を進めていきます。

カウンセリングルームの新設置

宝印刷が目指す「社員一人一人が心身ともに健康でいられる環境の提供」につながる取組みの一環として、外部の産業カウンセラーによる「カウンセリングルーム」を2024年6月に開設しました。
社員が抱える悩みやストレスを専門家と話し合い、解決の糸口を見つけるための場所として、月に2回カウンセラーが来社し、気になることを自由に相談できます。

多様性の創出で、いきいきと働ける環境を整備

当社グループが持続的な成長を遂げるためには、従業員一人ひとりの力が十分に発揮できる職場でなければなりません。そのためには、多様性を認め合いながら互いの成長を促すことができる風土や、誰もがいきいきと働ける職場環境を整えることが必要だと考えています。ダイバーシティへの取組みを積極的に推進し、公平な処遇を実現するとともに、それぞれの能力・活力を発揮できるような安全で働きやすい職場環境をつくることを方針として事業活動を行っています。

社内表彰制度「ふたば賞」の取組み

TAKARA & CO.グループでは、営業成績や業務成果だけに留まらず、各々のポジションで努⼒した社員の⾏動・挑戦・意欲などを褒め称える社内表彰制度「ふたば賞」を設けています。2023年度は39名の社員が受賞しました。

評価コメント(⼀部抜粋)

  • 顧客情報や資料の確認など、訪問前の⼊念な事前準備を⾏うなど、⼈⽬につかないところでも⼿を抜くことなく懸命に努⼒する姿勢は顕彰に値する。
  • 初のIPO案件作業に対して、事前の⼊念な準備および作業中の迅速かつ丁寧な対応により、全体を取りまとめ滞りなく上場まで導き、お客様からも感謝の⾔葉をいただいた。
  • ケーススタディ(ロールプレイング)を⾃ら主体的に実践し、新⼈からベテランまで⼀緒になって学べる機会を提供してくれた。
  • 経験の浅いスタッフが担当する案件を、苦労を厭わずに献⾝的にサポートしてくれ、顧客満⾜度向上に繋げてくれている。

多様性を重視した採用活動

経済情勢や関連する法律の改正、株主・投資家の皆様からのご要望など、取り巻く環境は常に変化します。当社グループは事業を通してお客様の情報化社会におけるコミュニケーションを支援していることから、変化を恐れず挑戦していく人材を必要としています。採用活動においては、志願者の価値観も大切にしながら、対話することを重視しています。
中途採用においては、社外の風を当社グループの社内組織の活性化に役立てるべく、経験豊富なシニア雇用を積極的に実施しており、高い知見やノウハウが現場において様々な形で活かされています。