特集AIを活用したサービス展開
ディスクロージャー&IRのDXがもたらす企業価値の向上
近年のディスクロージャー&IRを取り巻く環境は、大きな転換点を迎えています。2025年4月よりプライム市場上場企業を対象に、決算情報などの「英文同時開示」が義務化されました。グローバルな投資家層との対話において、情報の「速報性」と「正確性」の両立は、もはや避けて通れない経営課題となっています。
また、人的資本やサステナビリティといった「非財務情報」の重要性が高まり、開示資料のボリュームと複雑性は増大の一途を辿っています。実際に、プライム市場における英文開示の取組みは加速しており、義務化対象資料の約93%が日本語と同時に開示されるなど(2025年8月時点)、情報のタイムリーな発信が定着しつつあります。より限られたリソースの中で、質の高い情報をタイムリーに発信し続けるには、従来のマンパワーに頼った作成手法では限界があります。こうした「開示の質とスピード」への要請に応えるべく、当社グループは生成AI技術を活用したディスクロージャー支援製品の導入を推進しております。最先端のAI翻訳やAI音声認識技術などを実装することで、開示プロセスの抜本的な効率化など、さらにサービス展開を進めてまいります。この度、新たに開始した2つのAIサービスをご紹介します。
活用・検討中の企業は4割を超え、実用段階へ。
● 活用している(17.3%)
● 検討中(26.8%)
● その他未検討
(出典:帝国データバンク2024年)
①AI × 専門家の知見でグローバル開示を加速~AIファイル翻訳サービスの提供開始~
宝印刷株式会社は、AI翻訳技術を持つ株式会社ErudAiteと連携し、ディスクロージャー&IR分野に特化した「AIファイル翻訳サービス」の提供を開始いたしました。近年、海外投資家への情報発信の重要性が高まる中、決算資料や適時開示資料の英文化には「スピード」と「品質」の両立が求められています。本サービスは、ErudAite社の最先端AI翻訳エンジンによる一次翻訳と、当社グループが長年培ってきた専門性によるポストエディット(翻訳後編集)を融合させることで、この課題を解決し提供しています。
■サービスの主な特長
圧倒的な納品スピード:従来の翻訳プロセスを抜本的に見直し、従来比で10分の1以下(当社比)という画期的なスピードでの納品を実現しました。これにより、決算発表直後の英文開示など、迅速な情報伝達が可能となっております。
専門性と精度の確保:AIによる高速翻訳に加え、ディスクロージャー実務に精通した専門家が文脈や専門用語を確認・修正することで、企業の信頼性を損なわないプロフェッショナル品質を提供しています。
■多様なフォーマットへの対応
2025年8月に第一弾として「PowerPoint※ AI翻訳プラン」の提供を開始し、決算説明会資料などのスピーディーな翻訳を実現しました。さらに、お客様からのご要望にお応えし、2025年11月には第二弾としてWord※ファイルにも対応。これにより、決算短信や有価証券報告書、適時開示資料といった、専門性が高く文章量の多い開示書類においても、迅速かつ正確な対応でサービスを提供しています。
※PowerPoint 、Wordは米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。
②株主総会運営のDXを支援~想定問答自動検索システム「WizLabo SR.QA」の提供を開始~
当社グループの宝印刷株式会社は、株主総会の質疑応答を支援する新システム「WizLabo SR.QA」の提供を2025年10月より開始いたしました。
■開発の背景
上場企業の株主総会の準備には多大な労力と正確さが求められ、特に当日の質疑応答で素早く的確に回答することは、株主様との信頼関係を築くうえで非常に重要です。しかし、その対応は決して軽いものではありません。「WizLabo SR.QA」は、この質疑応答の負担を大幅に軽減し、より円滑で建設的なコミュニケーションを実現するために開発されました。
■システムの概要
「WizLabo SR.QA」は、AI音声認識技術を活用した想定問答自動検索システムです。AI音声認識による即時検索:質疑の音声をAIが即座にテキスト化し、設定したキーワードに応じて想定問答データを自動検索します。回答支援の迅速化:最適な回答候補を素早く表示することで、事務局の検索作業を大幅に効率化し、議長との円滑な連携を実現します。高精度な音声認識:各社固有の商品名や役員氏名などを事前に登録することで、正確なテキスト化が可能です。
本システムは株主総会だけでなく、決算説明会など予測困難な質疑応答が想定される場面でも活用いただけます。
当社グループは今後も、お客様の業務効率化と対話の質の向上に貢献するソリューションを進化させてまいります。