特集市場環境に対応したサービス支援
特集① 東証の市場改革にグループシナジーで支援
東京証券取引所(東証)は、日本市場の国際競争力強化と企業価値向上を目指し、情報開示の抜本的な改革を進めています。これは、外国人投資家の増加と企業・投資家間の建設的な対話促進という二つの柱に基づいています。
まず、日英同時開示は、2025年4月からプライム市場の上場企業に義務化されました。日本株の売買代金の約7割を外国人投資家が占める現状において、これまで日本語開示との間に生じていた情報格差やタイムラグは、彼らの投資判断を妨げる大きな要因でした。この義務化により、決算情報や適時開示情報が日本語と同時に英語でも提供されることで、国内外の投資家が公平かつタイムリーに情報にアクセスできるようになります。これにより、日本市場への信頼性が高まり、さらなる外国人投資家の呼び込みが期待されます。
次に、有価証券報告書(有報)の早期開示は、株主総会前の開示が強く推奨されています。海外の投資家団体からは、株主が総会前に有報の包括的な内容を検討し、情報に基づいた議決権行使や、経営陣とのより実質的な対話ができるよう、長年改善が求められていました。早期開示が実現すれば、投資家は企業の財務状況、戦略、ガバナンス体制を深く理解したうえで対話に臨むことができ、企業統治の実質化と「稼ぐ力」の強化に不可欠な建設的なエンゲージメントが促進されます。総会日程の後ろ倒しなど、市場全体の環境整備も進められています。
これらの改革により、外国人投資家の積極的な参画と、企業との質の高い対話を通じて、持続的な企業価値創造の好循環を生み出し、日本市場全体の活性化に貢献することが期待されています。
こうした市場の要請に対し、当社グループは、翻訳についてはサイマル社と連携し、機械翻訳と人手によるチェックを組み合わせた翻訳体制を構築するなどグループシナジーを発揮。また、当社の主力製品であるWizLaboでは、AIを活用した機能開発を重点的に進め、さらなる業務効率化を促進しています。
このような施策を通じて、上場企業の情報開示のスピード化と質の向上に貢献しています。


特集② 個人投資家の増加に対する当社サービスの紹介
存在感が高まる個人株主の増加
2024年1月に新NISA制度が開始され、貯蓄から投資の流れが加速しています。2024年度の株主数合計(延べ人数)のうち、個人株主数(延べ人数)は前年より914万人増加して8,359万人と過去最高を更新しました。※1このような流れを受け上場企業には、株主還元の拡充やIR情報開示の強化、PBRの向上などが個人投資家から期待されています。また東証からはグロース市場の上場維持基準の引き上げや、情報提供体制(IR体制)の義務化が進められています。

※1 日本取引所グループ
「2024年度株式分布状況調査の調査結果について」(2025年7月4日)
お客様ニーズに応える個人株主・投資家向けサービス
このような環境下で、安定株主として個人株主の存在感が高まっていますが、中でも長期保有が見込まれるファン株主が重要です。ファン株主を増やす活動には、情報発信や株主との対話の充実がありますが、それは個人投資家に投資対象として自社の魅力をアピールする事にもつながります。
また実際に個人投資家向けIR活動を実施している企業の割合は78.5%に上り、直近1年間に会社説明会、施設見学会、イベントやフェアを年1回以上開催している企業の割合の合計は68.7%に達しており、個人投資家向けのイベントを開催する企業に増加傾向が見られます。
TAKARA&COMPANYでは1991年にIRの専門部署を設立し、長年にわたり企業の情報開示をサポートしてきた実績があります。現在では個人株主・投資家向けの印刷物の制作にとどまらず、様々なメディア媒体を通じて企業の魅力を発信しています。また情報発信の方法についても、メディアミックスで展開するなど、効果的に個人株主・投資家へお届けしています。
※2日本IR協議会 第32回「IR活動の実態調査」(2025年6月)
メディアを活用した主なサービス

ジャパニーズインベスター誌(JI誌)
1990年3月に刊行され、現在では2万名超の定期読者と1万名超のWeb会員に親しまれる日本初のIRマガジンです。掲載記事は企業側からの情報発信に留まらず、読者アンケートで読者の反応を企業にお届けすることも可能で、双方向メディアとして効果的な媒体にもなっています。またWeb版の「JIOnline」では雑誌記事の他に、企業のキーパーソンによる動画配信なども展開しており、月間平均PV数も3万と多くの方に閲覧されています。

TVメディア(TOKYO MX番組「おはリナ!」内、「知ットク企業」)
視聴対象3,100万人に一都三県で放送される「知ットク企業」は、企業のトリビアをクイズ形式で解き明かし、その魅力を伝えるコーナー企画です。放送を通し視聴者の関心を高めることで、企業の認知度やイメージ向上などにつなげています。また放送後にはYouTube配信やJI誌掲載への二次利用で、放送エリア外の多くの投資家へ向けた情報発信も行っています。

個人投資家向け説明会
企業と個人投資家の架け橋となる個人投資家向け説明会では、企業のキーパーソンがリアル、オンラインで参加者に説明する従来型に加え、インフルエンサーとの対談形式により企業の魅力を伝える新たな説明会形式も開始しています。インフルエンサーとの説明会では、フォロワーによる多くの視聴数の獲得や若年投資家層へのアプローチ、情報の伝達や理解度の深化が見込まれます。また各説明会後にはアンケート実施による企業へのフィードバックや、説明会内容をJI誌やJIOnlineへ展開するなど、情報を効率的に活用しています。
