社長に聞くTAKARA & COグループの成長戦略

株主の皆様には日頃より当社グループへのご支援を賜りまして、心よりお礼申しあげます。
株主の皆様には、この「ネットで株通」におきまして、当社グループへの理解を一層深めていただけるよう、
今後に向けた取組みなどをお伝えいたします。

株式会社TAKARA & COMPANY
代表取締役社長  堆 誠一郎

「中期経営計画2023」最終年度の当第2四半期までの進捗

新型コロナウイルス感染症への対策や各種政策がwithコロナに向けた新たな段階へとシフトされ経済活動は正常化に向け緩やかな動きが続きました。しかし、感染の波や変異株への懸念などは繰り返され、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

しかしながら「中期経営計画2023」最終年度の当第2四半期までの連結業績は表に記載のとおり、営業利益こそ若干の減益となりましたが売上高は増収、四半期純利益も増益となりました。

セグメントごとの業績は以下のようになりました。

ディスクロージャー関連事業

売上高10,420百万円(前年同四半期比3.2%増)、セグメント利益1,656百万円(同14.8%減)

前期からの「収益認識に関する会計基準等の適⽤」の影響による売上⾼の減少や前期に受注した大口のM&Aコンサルティングの反動減などはありましたが、それを加味しても当第2四半期連結累計期間の売上高は、過去最高を記録することができました。金商法関連では、主力製品の統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」の導入顧客数増、決算・開示アウトソーシングの堅調、会社法関連では、株主総会招集通知の電⼦提供措置に伴う定款変更による頁増や英文翻訳の増加、IR関連では統合報告書の受注増など主力商品の販売が好調に推移しました。

通訳・翻訳事業

売上高3,878百万円(同25.5%増)
セグメント利益253百万円(前年同期はセグメント損失17百万円)

通訳事業では対⾯とオンラインのハイブリッド型会議が定着したことなどから、受注件数の増加により目標を上回る売上となり、これはコロナ禍前の⽔準をも上回る結果となりました。翻訳事業においても海外顧客からの翻訳・ローカライズ案件依頼が堅調に推移し、広報関連文書の英文化、市場再編等の動きから前年同四半期を大きく上回り伸長しました。
足元はこのような状況となりますが、この状況を勘案し、「中期経営計画2023」の最終年度である2023年5月期の連結業績目標は計画どおり、「売上高270億円」「営業利益36億円(営業利益率13.3%)」「親会社株主に帰属する当期純利益23億円」「ROE 10.0%」として下期に注力してまいります。

下期や今後における成長に向けた施策について

まずは「中期経営計画2023」の達成に向けて下期では、「招集通知、株主総会プロセスの電子化」、「非財務情報開示の拡充」、「行動制限緩和による通訳需要の拡大」などの環境変化に対応する市場ニーズを意識した取組みを進めてまいります。

  • 「招集通知、株主総会プロセスの電子化」

    2022年9月に招集通知の電子提供制度が施行されました。当社グループではこれらの変化によるニーズを先取りすべく、「ネットで招集」招集通知の電子提供書面送付代行サービスの提供を進めています。また、今後多様化することが予測される株主総会の運営では、多様なバーチャル総会の運営に対応すべく「ネットで総会」としてラインアップを拡充いたしました。
    このように下期や今後を見据えた商品・サービスの一層の強化に努めてまいります。

  • 「非財務情報開示の拡充」

    TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)賛同の動きや人的資本に関する市場の要請を背景に、プライム市場上場企業以外にも非財務情報開示の波は拡がりつつあります。
    有価証券報告書においても2023年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書からTCFD、人的資本開示といった非財務情報の開示が義務付けられます。
    当社グループでは、この対応として当第2四半期までも堅調であった統合報告書やWEBサイトの制作対応のみならず、WizLabo Boxやコンサルティングなどによる支援体制の強化を進めています。

  • 「行動制限緩和による通訳需要の拡大」

    行動制限緩和による通訳需要の回復については、特に遠隔と対面をミックスしたハイブリッド型会議の増加を引き続き見込んでいます。グループ会社の(株)サイマル・インターナショナルでは、遠隔同時通訳プラットフォーム「interprefy」のZoom言語通訳機能との機能統合や、紹介動画を作成・公開いたしました。「interprefy」は現在国内300超の企業・団体に利用されていますが、今後も新たなサービスを展開するなど、さらなる成長に向けて取り組んでいます。

    さらに今後に向けては、報道にて皆様もご認識いただいているとおり、現在、四半期報告書の提出義務廃止・四半期決算短信への一本化が検討されています。開示内容においては、さらなる充実や英文化などが求められる見通しとなっています。
    当社グループでは、この流れを機会に変えられるよう決算・開示業務のアウトソーシング、和英同時開示対応、ESG情報開示サポートなどの体制強化を進めています。既に足元ではディスクロージャーにおける翻訳ニーズは引き続き高く、下期、今後ともに継続的に期待できる領域だと認識しています。

    まずはこれらの取組みにより「中期経営計画2023」の達成を果たせるよう邁進してまいりますが、当社グループを取り巻く環境は、近年大きく変化し続けており、様々な社会・経済動向による影響を受けることから次期3ヵ年中期経営計画には現在蒔いている種が非常に大事になるものと考えています。
    大きな方向感としては、経営支援のプラットフォーマーとしての環境変化への対応、グローバルなオンリーワン企業集団を目指すための通訳・翻訳事業を基盤とした海外事業の強化、そしてグループシナジーのさらなる創出に向けた経営体制を築くことがポイントになると考えています。

サステナビリティ経営の実現に向けた取組み

2022年1月にサステナビリティ委員会を新設し、同年7月には、社会・環境課題に適応し、サステナブル経営を一層推進していくための指針として「サステナビリティ基本方針」を策定し、これに基づく5つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
いずれのマテリアリティも当社グループがサステナビリティ経営を推進するうえで避けることができない課題ですが、特に「従業員の幸せ」は、企業価値向上を実現する大切な要件であると考えています。従業員一人ひとりが仕事にやりがいを感じながら、自分自身を成長させていくことで会社全体が成長する関係を築き、仕事を通じて幸福であり続けられる環境を整えることが重要です。
なお、今号ではより当社のサステナビリティの取組みをわかりやすくしたマンガを特集にてご紹介しています。ご一読いただけますと幸いです。

株主の皆様へ

ここまで当社の取組みについてご紹介してまいりましたが株主の皆様におかれましては、こうした情報発信にご理解いただき引き続きのご支援をお願いいたしたく存じます。
株主の皆様は、当社にとって大切なステークホルダーであり長期的利益還元については重要な経営課題の一つと考えています。そのため、安定配当を行うことを基本として、配当性向は40~50%程度を目安とし、今後の事業展開を勘案したうえで業績に応じた配当を行うこととしています。
2023年5月期の配当金につきましては、現時点での連結業績予想と、十分な配当原資、安定配当の方針を勘案し、中間配当35円、期末配当35円(予想)の年間70円を予定しています。
今後も持続的な事業成長に取り組み、株主の皆様のご期待にお応えしていけるよう取り組んでまいります。

(注)2022年5月期は、中間配当および期末配当に創業70周年記念配当2.0円(合計4.0円)が含まれます。