社長に聞くTAKARA & COグループの成長戦略

株主・投資家の皆様には日頃より当社グループへのご支援を賜りまして、心よりお礼申しあげます。
新型コロナウイルスにより影響を受けられている皆様に謹んでお見舞い申しあげます。
さて、株主の皆様には中間株主通信の冊子をお手元にお届けいたしましたが、この
「ネットで株通」では当社グループへのご理解を一層深めていただくため、より詳細な情報
をお伝えいたしておりますので、ご一読いただけますと幸いでございます。

株式会社TAKARA & COMPANY
代表取締役社長  堆 誠一郎

Q. 新型コロナウイルスの影響など足元の状況は?

2019年12月の持株会社化より約1年が経過しました。振り返ると、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、私たちの置かれる社会・経済環境、生活様式などの環境変化のスピードはこれまでの想像を超えるものとなっています。

第2四半期までの業績はお届けした株主通信に記載の通りで、計画に対してはまずまずの状況ですが、引き続き予断を許さないと考えております。直接的な影響ではこの間、通訳事業において多くのイベント、シンポジウムの開催が延期、中止されたことなどがありました。

そのような環境下で、グループ各社はテレワークを推進しており、あらゆる業務において、「あり方」は日々変化しています。これまで考えもしなかった気づきも多く、業務の効率化など様々なプロセスの変化を前向きに進めています。

一方で外部環境では、この「ネットで株通」でも特集していますが、イベント自粛要請の影響で、株主総会や決算説明会などの開催が困難になっており、これらに対応してインターネットを通じた動画配信や、お客様のテレワーク環境を支えるシステムやアウトソーシングなど効率的な商材が求められるようになりました。東京証券取引所の市場見直しへの対応による上場企業のガバナンス拡充、英訳ニーズの増加など、当社にとってはチャンスともいえる環境変化となっていると感じています。

Q. 「新・中期経営計画2023」の進捗状況は?

新・中期経営計画では「経営支援のプラットフォーム」を目指し、売上高300億円、営業利益29億円の達成を目標としております。

詳細はこちらをご覧ください。

初年度の上半期は前記の通り、まずまずの状況です。一方で成長戦略を実現するために、改めてディスクロージャー関連事業を中心に新しい戦略を立てて事業構築を進めています。特にこのコロナ禍においては「業務効率化」と「オンラインでのコミュニケーション」のニーズが高まっており、通訳・翻訳事業では成長に向けて変化をとらえることが求められています。

「業務効率化」にこたえるサービス展開

ニーズに対応するサービスの一つとして法定開示書類作成支援ツールの上位機種「X-Smart. Advance」があります。現在、順調に導入社数が増加していますが、一層の機能向上を実現するためには「X-Smart.」シリーズに次ぐ新たな製品の開発が必要と考えています。2020年9月および10月に実施した、自己株式の売出しと新株式発行による資金調達は特にこれらの開発を目的としたものとなります。

同様に開示書類のアウトソーシング業務も需要が高まっており、この機会を得るべくより専門性を高めるため昨年6月に宝印刷(株)の子会社として新たに(株)TAKARA Solutions & Servicesを設立しました。

「オンラインでのコミュニケーションの拡大」を推進するサービス展開

コロナ禍においては、株主総会の様子をインターネットで配信する「バーチャル株主総会」を採用する企業が増加しています。

詳しくはクローズアップでご紹介していますのでそちらをご参照願いたいのですが、当社ではトピックスにもある通り、会社紹介の動画を作成しました。この動画は株主・投資家の皆様をはじめとした幅広いステークホルダーの皆様に当社事業をご理解いただくために用意したものです。この動画のようにお客様のニーズに寄り添いオンラインでのコミュニケーションをさまざまな角度からサポートする必要性が増しています。動画に限らずWEBサイトの提案までオンライン化での様々な取り組みの強化を進めています。

通翻訳需要の変化に対応したサービス展開

コロナ禍により、会場を設けたリアルなグローバルコミュニケーションは縮小傾向ですが、距離などの制約を超えたWEB会議などは拡大傾向にあります。サイマル社では、そのような場面で活用できる遠隔同時通訳プラットフォームであるinterprefyを提供しています。

また、証券取引所の市場見直しへの対応のためディスクロージャー関連書類の翻訳ニーズの拡大が予測されています。グループ内のシナジーの強化により、このようなニーズにも対応できるようグループ間連携を進めています。

Q. サステナビリティに対しての取り組み状況は?

当社グループでは、サステナブルな成長につながる経営課題としてSDGsテーマを特定しました。昨今、新聞記事などでよく話題に上がるSDGs(SustainableDevelopment Goals=持続可能な開発目標※)については、当社グループにとっても意識して取り組むべき経営課題として認識しています。

※ 国連の採択により制定された、世界が取り組むべき2030年までの目標

私たちは、SDGsに定められた17項目の目標のうち、当社グループの事業特性に鑑みて最も貢献できるテーマとして「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」を特定しました。詳しくは統合報告書にてご説明しておりますのでぜひご覧ください。

このテーマをグループ内で共有し、従業員ひとり一人が日々の業務の中で意識してほしいと考えています。拡大を続ける当社グループにとって、このような意識を共有していくことは重要なことであり、今後は事業会社間の人財交流を積極的に進めていくことで、多様化する人財がそれぞれ専門性を発揮しながらいきいきと働くことができる環境を整備していきたいと考えています。

私たちは企業価値を創出する基盤となる従業員は、最も重要な資本であると考えています。「新・中期経営計画2023」の目指す姿を実現するために、それぞれが個性や能力を十分に発揮し、引き続き多様な力が結集する強い企業グループとなることを目指してまいります。

おわりに

当社は、企業価値および株主の皆様の共同の利益を持続的かつ中長期的に向上させるためには、株主および投資家の皆様をはじめとした様々なステークホルダーとの適切な関係を維持・発展させていくことが重要であると考えています。これらのステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行うことが必要であり、このような経営方針こそが当社の優位性を保つための基本であると考えています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響はまだ続いていくと考えられます。

アフターコロナを見据えた新しい事業戦略をもって、ステークホルダーの皆様とともに持続的な発展ができるよう、取り組みを続けていきます。

株主および投資家の皆様には当社グループの取り組みにご期待いただき、ご支援いただけますようお願い申しあげます。